丙午(ひのえうま)の年、1966年。
当時、日本で大人気のスポーツと言えば、やはり野球、そして大相撲だった。
当時、日本で大人気のスポーツと言えば、やはり野球、そして大相撲だった。
テレビの前で親父たちは焼酎や日本酒をあおりながら、ゴールデン・ナイターにかぶりついていた。
ブラウン管の向こうで繰り広げられる、長嶋の華麗なボールさばきや、王の豪快な一本足打法、そのほかにも、村山、野村、金田などなど往年の名選手の一挙手一投足に沸いた。
ブラウン管の向こうで繰り広げられる、長嶋の華麗なボールさばきや、王の豪快な一本足打法、そのほかにも、村山、野村、金田などなど往年の名選手の一挙手一投足に沸いた。
栄光の巨人軍は、常勝に次ぐ常勝で、この1966年(昭和41年)も、セ・リーグ優勝する。
パ・リーグの覇者は南海ホークス。野村克也が4番の時代だ。この年、巨人は4勝2敗で南海を制し、日本シリーズで優勝する。
この時期が、巨人軍としてはいわゆる「V9」時代で、9年連続で日本シリーズを制覇する、破竹の強さを見せるのだ。もちろん、王、長嶋のON砲がさく裂したピークの時代である。人々は、後楽園球場に舞う白球に胸を躍らせ、夢を追った。
一方、大相撲は名横綱の取り組みで沸きに沸いた。
大鵬である。この1966年の成績は、初場所こそ柏戸に優勝を譲るものの、その後は圧巻の5連勝である。
初場所 柏戸剛
春場所 大鵬幸喜
夏場所 大鵬幸喜
名古屋場所 大鵬幸喜
秋場所 大鵬幸喜
九州場所 大鵬幸喜
大鵬である。この1966年の成績は、初場所こそ柏戸に優勝を譲るものの、その後は圧巻の5連勝である。
初場所 柏戸剛
春場所 大鵬幸喜
夏場所 大鵬幸喜
名古屋場所 大鵬幸喜
秋場所 大鵬幸喜
九州場所 大鵬幸喜
この昭和時代の流行語として、「巨人、大鵬、卵焼き」がある。
子供たちの大好きなものを並べたこの言葉が流行し、この時代の象徴とも言えるものを言い表していた。
圧巻の強さを見せた巨人と大鵬。
そこに、お母さんの作る甘くてふわふわの卵焼き。
この年、日本は貧しかったが夢があった。甘い卵焼きを食べながら、夢は無限に広がっていた。
産業が発展し、会社は大きくなり、日本は都会化が進み、海外にも自由に行けるようになり、新幹線、オリンピック、月面着陸、人類の進歩は年を追うごとに感じられた。
そういう昭和の良き時代だった。
それが、1966年という丙午の年だったのだ。
強い者がいて、夢を追うことができ、それが楽しい。成長の実感がある。
今はどうだろうか。
平成のこの技術のはるかに進んだこの日本で、目を輝かせながら夢を追うことができるだろうか。そもそも、夢を持つことができているだろうか。
日本を見直す時が来ている。もう一度、夢を見続けられる社会にすることが、今を生きている者の使命のような気がしている。
今はどうだろうか。
平成のこの技術のはるかに進んだこの日本で、目を輝かせながら夢を追うことができるだろうか。そもそも、夢を持つことができているだろうか。
日本を見直す時が来ている。もう一度、夢を見続けられる社会にすることが、今を生きている者の使命のような気がしている。
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